障害者雇用と一般雇用、就活アプローチの違いに気づくまで
就活を通じて、一般雇用と障害者雇用では、企業が求める情報の質そのものが違うということに気づきました。
一般雇用では「何ができるか」「どんな実績があるか」が評価の中心になります。一方、障害者雇用では、それに加えて「どういう場面で困りやすいか」「どういう配慮があれば安定して働けるか」を企業側は知りたがっています。つまり障害者雇用の就活では、アピールだけでなく、自分を安定して活かすための”情報開示”が選考の重要な要素になるのです。
書類が通らなかった理由
2月に、ある就労移行支援事業所の見学で職務経歴書を見せたところ、「書類で全部落ちる」「面接まで行っても面接で落ちる」と言われました。当時はその理由が分からず、ただただ苦しい時期でした。
今振り返ると、当時の書類は「できること」——VBAやRPA、DXのスキル——の羅列が中心で、企業側が本当に知りたい「困りやすい場面」や「必要な配慮」についての情報が欠けていたのだと思います。
就労パスポートとの出会い
5月末、就労パスポートの存在を知ったことが、大きな転機になりました。就労パスポートは、まさに自分の配慮事項を言語化して企業に伝えるためのツールです。
ただし正確に言うと、これによって「書類選考の通過率が上がった」わけではないと思います。実際、内定に至った案件も、その後辞退した案件も、どちらも面接確約というルートでした。書類そのものを突破する力が上がったというよりは、面接に進んだ後、企業に自分の特性や配慮事項をきちんと説明できるようになり、選考を最後まで進められるようになった、というのが実感に近い変化です。書類自体は、依然としてオーバースペックに見えるものであることに変わりはないとも感じています。
「なぜ」と問わなくなった
アプローチが変わったことで、選考に落ちたときの受け止め方も変わりました。
以前は、原因不明のまま落ち続け、「なぜ」を探しても掴めず、苦しさが続くばかりでした。しかし就労パスポートを使うようになってからは、配慮事項も含めて開示した上での結果になったため、たとえ落ちても「相性が合わなかった」と受け止められるようになりました。
結果として、落ちても「なぜ」と問い詰めずに済み、次への切り替えが早くなりました。実際、7月にある企業の選考で不採用になった際も、そこで立ち止まらずに、次の応募先へすぐに気持ちを切り替えることができました。
採用側も変わっていた
今回の就活が難しかった理由は、年齢や職歴の積み上がりだけではなかったように思います。障害者雇用の採用そのものが、以前より「配慮事項・自己理解・安定就労の見通し」を細かく確認するようになっていて、昔ながらのやり方では通りにくくなっていた、という面もありそうです。
以前は「仕事ができそう」という印象だけでも採用に至ることがありました。しかし今回は、それに加えて「どうすれば安定して働ける人なのか」まで具体的に説明する必要がありました。これは自分自身の変化だけでなく、採用市場側の基準が上がっていたことの表れでもあると思います。だからこそ、就労パスポートを通じて「情報開示」型のアプローチに切り替えられたことは、今の採用基準に合ったタイミングでの変化だったのかもしれません。
振り返ってみると、当時いちばん困ったのは「なぜ通らないのか」が分からなかったことでした。採用側が以前より自己理解や配慮事項、安定就労の見通しを重視するようになっていたとしても、その変化を求職者が知る機会はほとんどありません。就労移行支援でもそこまで具体的な説明はなく、私は就労パスポートを知るまで、何を変えればよいのか分からないまま応募を続けていました。
まとめ
障害者雇用での就活は、「アピール」から「情報開示」への発想の切り替えが鍵になると感じています。できることを見せるだけでなく、
- どんな場面で困りやすいか
- どんな配慮があれば安定して力を発揮できるか
を具体的に伝えることが、私の就活では、面接以降の選考を最後まで進めるための本質的なポイントだったかなと思います。書類選考の壁そのものを超えられたとは、正直今も思っていません。それでも、選考結果に一喜一憂しすぎず、前を向いて次に進むための支えにはなりました。